ママが大きな箱を持って帰ってきた。
それはケーキの箱で、いつも見かけるのは
その1/4くらいのサイズの箱だった。
「ホールケーキだと思う」
ママはキャッキャしながら夕飯の後にみんなで頂こう、と言っている。
ぼくは食べれないんだけどね。
それでもホールケーキとやらは見てみたい。
見た事ないし。
いや、以前見た気もする。
パパが職場の福利厚生で誕生日に貰って来ててママが3/4食べてた。
まぁその時もぼくは食べなかったんだけど。
食事の片づけを終えて冷蔵庫から箱を出し
引っ張り出した時に
パパとママは目を丸くした。
「なんと言う事だ。なんという不意打ち。
なんというサプライズ」
ママは、くぅぅ、と上を向いた。
パパは、すごいねー、名前が入ってる、と驚いている。
「これは、来がけにお店に寄ってお土産を買ってきました、じゃなくて
注文して作ってもらってわざわざ用意したものだね。
ママちゃん、すごいじゃん」って呟く。
なんだろう、すごい特別感。
ただの「ありがとう」ではなくて
「いつもありがとう」って。
ぼくは丸いケーキに驚いて、プレートが載っている事にも驚く。
ママはいつも職場で何をしてるんだろう。
「ありがとう、って有難い、って書くのよね。
そう有るごとが難しいっていう意味で。
そんなこと有り難し、なのよ。
今、それを実感したわ。
有り得ないことが起きた。
こんな形の感謝の気持ちを貰えるなんて
有り得ないくらい凄い事だよ」
ママは鼻を啜り、こちらこそありがとうだ、と呟いた。
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